デントールで歯周病は治るのか?利用後の効果をまとめてみた

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気づいた時にはかなり進行してしまっている歯周病。
歯医者に行って歯石除去のスケーリングをやってもらうべきなのですが、

  • 歯医者には行きたくない人。
  • 歯石除去をしたけど、次の治療としてはルートプレーニングやフラップ手術をしないといけないと言われた人。
  • 歯石の除去で一旦歯周病治療は終わったけど、再度歯石が付着しないようにしたい人。

色んな人がいると思います。誰しもができる限り歯医者には行かなくてもよいようにしたいですよね。

いくら丁寧に歯を磨いても完全に歯石の付着を予防したり除去することはできないので、歯医者でのスケーリングには半年に1度くらいの頻度で行くべきと言われています。
しかし自宅でのデンタルケアでこの歯医者に行く頻度を減らしたり、歯石付着をできる限り防いだりすることはできないのか?
私もこれまで様々な口腔ケアグッズを利用してきましたが、前々から気になっていたデントールを購入して半年ほど利用してみたので、その使い勝手や歯周病予防への効果等について記載したいと思います。

デントールとは何か?

このページを今見ておられる方は、そもそもデントールが何かということはすでに理解しておられると思います。
デントールとは、一束の細かいブラシをジェット水流と共に秒間30回のスピードで押し出して歯間や歯周ポケットを洗うことができる口腔ケアグッズです。

何故デントールは効果があるのか

歯周病は皆さんご存知の通り、食べかすや歯垢等により歯と歯茎の間に菌が入り込んで歯を支えている歯根を溶かし歯周ポケットができていきます。
この歯槽骨が溶けていくことによって歯周ポケットが深くなっていくと、最後は歯を支えることができなくなり虫歯でもないのに、歯が抜け落ちてしまいます。
なので、この歯周ポケットがこれ以上深くならないように、歯周ポケットの中に溜まっている原因菌を取り除かないといけないのですが、この原因菌は時間の経過とともに歯石となって硬くなり歯にこびりついてしまいます。
この歯石は自分で取ることはできないので、歯医者さんで定期的に歯石除去スケーリングをしてもらう必要があります。

エアーフロスとの違い

デントール以外にも、ソニッケアー等のエアフロスがありますが、違いは何でしょうか?
エアフロスは空気圧によって水流をジェット噴射して歯間の汚れを水流で吹き飛ばします。これにより確かに歯間の食べかす等は除去できるのですが、歯にこびりついた歯垢等のバイオフィルムまでは取り除くことができません。
バイオフィルムとは、キッチンの三角コーナーや浴室の汚れが残った箇所等にヌメリがあると思いますが、あのような物を総称してバイオフィルムと言います。
口腔内にできる歯垢もバイオフィルムの一種なのですが、歯に付着しているバイオフィルムがエアフロスだけでは落とせないというのはイメージできると思います。
食べかすと歯垢(バイオフィルム)の違いをしっかり理解できれば、デントールの効能を理解することができると思います。

嫌気性菌は酸素に弱い

この歯周ポケットに溜まった菌は、嫌気性菌といい酸素に弱いのですが、歯周ポケットの奥深くは空気に触れない為、この菌が活発に活動して繁殖し、歯を支えている骨を溶かしていきます。
デントールならブラシと水流の構造により、この深い歯周ポケットの奥までブラシと水流が届き歯垢を洗い出すことができます。
またこのジェット水流には空気が溶け込んでいるので空気中に含まれている酸素が、酸素を嫌う嫌気性菌を死滅させる効果もあります。

デントールとデントレックスの違い

ネットで情報を探していると「デントール」と「デントレックス」という二つの商品があります。
二つともリコーエレメックスが製造している口腔洗浄機なのですが、その本体に組み合わせて使うブラシの違いによって、商品名的に「デントール」「デントレックス」と言い分けているだけです。
ではそれぞれの違いを説明します。

デントレックス

  • 本体(デントレックス)+通常ノズル+ブラシノズル=デントレックス
  • 販売元:リコーエレメックス

デントール

  • 本体(デントレックス)+通常ノズル+ピストン型デントールブラシ=デントール
  • 販売元:ユーロニカ

要は、デントレックス本体につなげて利用するブラシの違いだけです。
デントール販売元のユーロニカは、リコーエレメックスのデントレックスの販売代理店でもあり、その商品であるデントレックスに、独自特許を取得したデントールブラシを組み合わせて、デントールというブランド名で販売しています。

ネットの口コミ等を見ていると、ブラシの構造上、デントールの方がジェット水流と一緒に細かなブラシの束が歯周ポケットに入り込むので、効果的にも評判がよさそうです。私も実際にデントールを購入して利用しています。

デントールはどうやって使う?

歯周ポケットと言っても実際にその穴(ポケット)を目で直接見たことがある人は少ないと思います。なので、歯周ポケットにジェット水流と一緒にブラシが入り込むってどういうことなのかな?本当に入るのか?痛くないのか?等のように思う人も多いと思います。
私も実際に購入するまでは、この歯周ポケットにブラシが入り込むという事が理解できずにいたのですが、実際に購入して利用してみると、特に痛みもなく簡単に利用できます。
歯間はデンタルフロスとタフトブラシを使っているのですが、最後にデントールを利用して仕上げています。

デントールの使い心地は?

利用はいたって簡単で、タンクに水を入れて、水圧を調整して、あとは順番にノズルの先端を歯間や歯と歯茎の間に向けて洗浄するだけです。
実際に歯周ポケットに入り込んでいるのかまでは確認できませんが、歯の付け根に向かってノズルを当てていれば、通常の歯ブラシでのブラッシングでは届かない箇所にまでジェット水流とブラシが届いていると思われます。
一度の利用でタンクを満タンにして利用することはないですが、タンクに約半分の水を入れれば5分くらいでなくなります。5分あれば上下表裏一通りの歯間や歯周ポケットを洗う事ができます。

デントールの使い勝手は?

利用は簡単なのですが、いくつか使い勝手が悪い点があります。

本体とブラシをつなぐホースが太くて扱いづらい

本体のタンクからブラシに水を送り込むホースがあるのですが、これが意外と太く、本体から引き延ばしてノズルを口の中に入れるのですが、ホースが絡まり気味になります。
また収納時はホースをくるんで本体に挿して立てておくのですが、ホースが太くて硬い為、うまくくるまないとホースの弾性によりノズルがうまく収納できずに落っこちてしまいます。

水が飛び散る

利用中に噴射される水が前面に飛び散ってしまいます。そのために洗面台の鏡が見ずでびちょびちょになります。
飛び散らないように口を閉じればいいのですが、口を閉じたら鏡で口の中を見ることができないので、洗いたいところにノズルを当てることができず、また水がどんどん口の中に溜まってくるので、口を閉じてデントールを使うことはできません。

また前面に飛び散らないように、口を開けた状態で下を向いて利用することもできますが、この時は水がそのまま口から流れ出るので、口の中に水が大量にたまることはないですが、鏡が見れないので洗浄箇所にノズルをあてることができません。

なので、鏡に向かって口を開けて利用せざるを得ないのですが、その際に前面の鏡に水が飛び散るのと、口の中からあふれ出た水が顎を伝って胸の方にまで流れて行って、上半身が濡れてしまいます。
そうならない為に、右手でデントールを持ちながら、左手で口からこぼれ出た水がアゴから胸に伝わらないようにハンドタオルで顎を押さえて利用していますが、これがかなり不便です。

デントールはいつ使うべきか?

一日3回歯磨きをしているなら、毎回デントールを使った方がよいかもしれませんが、お昼の歯磨きは多くの人は自宅にはいないと思うので、使うとしたら朝か夜の歯磨きのタイミングですよね。
デントールは意外と時間がかかるので、朝の忙しい時に使うよりは、夜の就寝前にしっかりと時間をかけて利用するのがよいかと思います。
食後約8時間で歯垢が発生して、その歯垢は48時間後に歯石化してしまいます。
そう考えると、歯垢の段階でしっかりデントールで歯石化する前の汚れを落とせばよいと思うので、一日一度の利用で問題ないと私は考えています。

デントールで歯石は除去できるのか?

デントール購入を検討しておられる方で、歯石が除去できるのか?というのをきにしておられるとおもいます。
しかしデントールでは歯石の除去はできません。
もちろん他の手法を使っても、自宅で自分で歯石を取ることはできないので、歯石除去の為には歯医者に通うしかありません。

デントールで歯石付着を予防できるのか?

歯石の付着は様々な要因によって成り立つので、デントールさえ使っていれば歯石は付着しないということはありません。
例えば歯ブラシでのブラッシングもせず、デンタルフロスも使わずに、デントールだけで歯石付着を予防することはできないということは想像しやすいかと思います。
ただ、しっかりブラッシングしてフロス等で歯の間の汚れもしっかり落としたうえでデントールを使えば、限りなく歯石付着の可能性を抑えることはできると思います。

デントールで歯周病は予防できるのか?

こちらも上述の歯石付着防止と同様に、デントールだけで歯周病を予防することはできません。
歯周病予防の為の様々な口腔内ケアにデントール利用を組み合わせることによって、歯周病予防の確立を高めることができるということです。

デントールで歯周病は治療できるか?

進行してしまっている歯周病を自宅で治療することは不可能なように、デントールであっても自宅で進行してしまっている歯周病を治療することはできません。
歯周病を歯医者で治療したうえで自宅で利用することにより、その後の歯周病の再発を防いだり進行を遅らせることは可能かと思います。

デントールで歯周ポケットは改善するのか?

こちらも歯周病治療同様、一度深くなってしまった歯周ポケットを自宅で自分で治療して浅くすることはできません。
歯医者でしっかり歯石除去をしてもらって、その後の口腔内のケアをデントールで行うことにより、それ以上に歯周ポケットが深くならないようにしていく為のツールと考えたほうが良いと思います。

デントールは買うべきか?

デントール自体で歯周病や歯周ポケットの根本的解決につながらないのなら買っても意味ないのでは?と思う人も多いと思いますが、私はそうは思いません。
歯周病は一度歯医者で治療したら完治してその後一生再発しない、等のような物ではなく、歯医者での治療後もいかに再発を防ぎ進行を遅らせるかが重要で、そのためには本人の日々の口腔ケアが非常に重要になってきます。
歯医者でスケーリングをして歯石を除去しても、その後自宅で適当に歯を磨いているだけでは、また歯石が付着したり、歯周ポケットに菌が溜まったりするようになります。
このようなことを防ぐ為に自宅でできる口腔内ケアとしてデントールは非常に強力なツールだと私は思います。

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