運動不足を解消するアイデアの一つに、階段を使おう!というのをよく目にすると思います。私もこれまで何度かこの考え方に触れてきたのですが、その度に思っていたのが、中途半端に階段なんて使わずに、移動の時はささっとエレベーターやエスカレーターで移動して、運動するならしっかり切り替えてジョギングやジムに行けばよい、という考え方でした。階段の上り降りで運動不足解消というのは、時間の無駄だし、効率も悪い、という考えです。
しかし歳をとってきて家庭も持つと、独身時代のようになかなかジムに行ったりジョギングをする時間がとれません。
そうなってくると日々の生活において毎日、自宅から駅まで歩いてそこから電車に乗って、駅を降りたらあとはエスカレーターとエレベーターを乗り継いだら、オフィスの自席にたどり着けるので、本当に自宅とオフィスの自席との間を往復しているだけの毎日です。
さすがにこの生活を長年続けるとなると、足腰やその他体にも良くないと思い、もし階段の昇降で少しでも運動不足が改善できるのなら、ぜひ活用してみようという考えに変わってきました。
オフィスビルの階段の構造
私が働いているビルは高層ビルなのですが、さすがに1階から執務エリアの30階まで階段で行こうとすると、相当な時間がかかるのと、おそらく到着時には汗だくになってしまっていて、仕事どころではなくなってしまっています。
大型のオフィスビルの場合、1フロア当たりの階段の段数は、28段程度なのではないでしょうか?
1フロア上がるに際して、踊り場でUターンしてあり、それぞれ13段とか14段くらいになっているビルが多いと思います。
よって足すと27段なので、おそらくたいていのビルが30段以下かと思います。
階段は何故13段なのか
ちなみになぜ階段の段数って13段とか14段くらいんでしょうか?
我が家の自宅も13段ですし、実家の階段も13段。会社のオフィスビルも、踊り場までは片側が13段でもう一方が14段。
実はこれにはちゃんとした理由があります。
階段の段数が13段や14段程度になっているのは、日本の建築基準法によるものです。
階段の1段の高さを蹴上げと言い、この蹴上げの高さと、階段を上から見た階段の面(足を乗せる面)は、建築基準法で最低限の基準値が定められています。
これらの条件を満たす階段を作ろうとすると、結果的に13段、14段程度の階段になるということです。
鈴木大地氏は、毎日13階まで階段で上がっている
スポーツ庁長官の鈴木大地さんは毎日執務エリアの13階まで階段を使ってたどり着いているようです。
さすがオリンピアン。49歳とのことですが、普通の49歳がこれをやろうとしたら、相当普段から鍛えていないときついのではないでしょうか?
私も会社のビルで2階から15階までを一度階段で昇ってみたことがありますが、その時は上りきるのに10分ほどかかり、上り切った時には汗だくになって、心拍数も相当高い脈を打っていました。
フロア移動に階段を使ってみて分かったこと
オフィスビルのフロア移動を、エレベーターではなく階段を使えば運動不足解消というのは誰もが思いつくことですが、では実際にそれをやるとなると、どのような感じなのでしょうか?
一度15フロア分を階段で昇ってみました。その時に感じたことを述べていきます。
15フロアを階段で昇るには、10分程の時間を要する。
普段から運動ををている人なら、もっと早く昇れるのかもしれませんが、そこまで毎地に運動をしていない自分は、10分程かかりました。
途中で休憩したかったのですが、そこは我慢して淡々と昇っていきました。
上り終わったら汗だく
15フロアを上り切った後に自席に着くと、汗だくになっていました。
特にオフィスビルの階段エリアはエアコン等の空調が効いていないので、非常に汗をかいてしまいます。
汗だくの状態で次のミーティングとかにそのまま参加していたら、もしかしたら周りの人にはすごく汗臭さをにおわせて不快な思いをさせているかもしれません。
息がすごくあがる
15フロアを上り切ると、普段運動をあまりしていないと、非常に息があがります。
その直後にミーティング等がある場合は、おそらく5分くらい時間の余裕がないと、息が落ち着かず、ゼーゼー言ったままでの会議になってしまい、しっかり発言ができないでしょう。
もし大勢の前でのプレゼン等があるなら、事前に階段を使うことは控えた方がよさそうです。
膝が痛む
普段ジョギングやウォーキング等をしていなくて、足腰がそこまで強くないと、おそらく15フロア分の階段を上ると、膝に相当の負担がかかります。
その階段を登っている途中に膝が痛くなることもあるかと思います。
筋肉痛
15フロア分の階段を登っただけで翌日筋肉痛とかって、本当にそんなことあるのか?と思うかもしれませんが、歳をとると結構普通にありえます。
20代の頃はそこまでではなかったですが、アラフォーになり15フロアを階段で昇ると翌日は筋肉痛になっていることがあります。
実際に階段を登る動作はどれほどの運動効果があるのか
例えば15フロアで計算すると、
27段×15フロア=405段
になります。これは単なる405歩ではなく、405段を登ることになるので相当な運動量です。
平な地面を歩くよりも、階段を登る動作は、同じ歩数でも階段を登る方が3倍の運動量となり、その運動量は軽いジョギング相当と言われています。
最近はオフィスビルの大型化に伴い、エレベーター渋滞も頻繁におこります。
数フロアを移動したいだけなのにエレベータを数分待たないといけない場合も多々あります。
忙しいサラリーマンの場合だと、会議が終わって次の会議に間に合う為には、フロア移動も含めると5分前に会議を切り上げて次のミーティングに向かう必要がありますが、なかなか5分前に会議が終わることは無いのではないでしょうか?
そんな時に、エレベーターを数分待つよりは、数フロアくらいなら、階段で移動すれば1分もかからずに移動することができます。
この移動効率に、運動不足を解消できるなら、エレベータ利用よりも、普段から階段の利用を心がけた方がよいのではないでしょうか。
身長170cm、体重60kgで、毎日デスクワークしている成人男性に必要なカロリー消費量は一日あたり1700kcalと言われています。
また上記の男性の場合、階段1段あたりの消費カロリーは上りで1段で0.145kcl程度と言われています。これらの数値から計算すると、
1700÷0.145=11700段になります。
一般的なオフィスビルの一フロア当たりの階段の段数を27段として計算すると、
11,700段÷27段=434フロアになります。
毎日434フロア分の階段を登るとなると、ありえないですが、もちろん日々階段の上り下り以外にも運動をしてカロリー消費をしているので、この一日に必要な消費カロリーを階段の昇降だけで消費する必要はありません。
こうやって計算してみると、例えば毎日10フロア階段で昇ったとしても、
10フロア×27段×0.145kcal=40kcal
程度にしかなりませんが、階段の昇降運動はカロリー消費だけでなく、心拍数を上げる等、心肺機能強化の効果や、足腰膝等の加齢に伴う機能劣化等にも良い効果を与えることができると思うので、以外と階段の利用は忙しいアラフォーサラリーマンにとってはROIが良いことなのかもしれませんね。